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正面外観 西側外観 外観(夕景) 南側外観 住戸A玄関 住戸A浴室 住戸B居間 屋上テラスから3階居間を見る 屋上テラスから3階居間を見る 3階居間 3階居間 3階洗面コーナー 3階浴室 住戸C浴室
AJC persimmon(赤城下町の家)
設計者 エム・シー・アーキテクツ
所在地 東京都新宿区赤木下町
竣工 2008年3月31日
主要用途 共同住宅
主体構造 鉄筋コンクリート造
敷地面積 197.29㎡
延床面積 354.24㎡ (約107.1坪)
階数 地下3階
業務内容 設計・監理協力
施工者 株式会社岩本組
撮影 田中宏明
敷地は、地名の「赤城下町」からも分かるように、神楽坂にある赤城神社から神田川方向に緩やかに下った場所に位置する。戦後から、昭和の時代までは、印刷製本工場町として栄えたが、近年の印刷業界の減衰に伴い、周辺は移転転業を余儀なくされているところが多い。基準法が施行される前の建築物が比較的多く残っている周囲には、専有部を我が物にするがごとく、敷地の全てをびっしりと建物で覆い尽くしたような違法建築が多く、道も極端に狭い。この敷地もその例に漏れず、工場が併設された住居(RC鉄骨併用4階建て)が、北側斜線を無視した違法建築として建っていたが、建物の老朽化や、工場の閉鎖に伴い、賃貸併用の住居が計画されることとなった。 

第一種高度地区の北側斜線制限域内にあり、更には狭い道路から発生する道路斜線の制限があることは違法建築に長年棲んでいた建主にとっては想定外の事であったらしく、法制限内の最大ボリュームが想像よりもはるかに小さい事に落胆の色を隠せない様子であったが、要望の再編集・諸要室の設定が一定の理解の下に行なわれた。賃貸部分のターゲット(入居対象層)をディンクスやカップルに変え、少ない戸数でも出来るだけ穏やかな住環境と、地の利を活かした+αの魅力を兼ね備えた空間性が求められることとなった。また、建主住居においては、「田舎の農家が持つおおらかな感じが好き」、「猫と暮らせる家」という漠然とした要望とが挙がっていた。

法制限内での最大の容積の確保、+αの空間性が求められる中で、数々の提案を経た結果、1階には、建主住居のエントランスと2台の駐車スペースと、賃貸用の2台の車庫、周辺の印刷工場に貸す予定の倉庫を配置し、2階には賃貸住居3戸、3階には建主住居とテラスを配置することとなった。これらの諸要室とそこに求められる高さを、最高高さ10M以下、天空率によって求められる輪郭、北側斜線によるボリュームの中で配列し、その工夫・編集によって、豊かさを獲得することが主題となった。 
注意深く観ると、敷地の西側と南側に接する道路には高低差が1Mほどある。これは、赤城神社の境内から緩やかに下っているというこの地の微地形の表徴でもある。これらの高低差を配列の工夫によって視覚化し、賃貸部分の各室の個性や広がり、空間性に寄与・還元させることが出来ないかを考えた。また、建主住居においては、田舎家を思わせる広縁・縁側・猫のいる庭といった余白が、その自律性と配列によって、工場町に固有の周囲の喧騒感や高密度感とは一線を画すような様相を呈し、穏やかな生活の核として存在するようにしたいと考えた。水廻りを中央に配し、これらを含めた動線に回遊性を付与したのは、これらの余白が、現実の生活の中で、何物にも替え難い存在、確固たる存在として、その役割を果たして欲しいと考えた為でもある。

担当者 H.A.S.Market
最高高さ 9.34 m
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