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Project1000 No.072 川崎市M邸新築工事

住宅

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敷地近辺はかつて(S.41年)民間が宅地造成を行った造成団地で、住宅地としては古く比較的静かな佇まいとなっている。隣接状況は北東側に児童公園、南東側に擁壁を抱えた崖、南西側は平地いっぱいに建つ住宅(現在工事中)の窓、北西側は築20年程度の一般家屋が大きな窓やベランダをこちらに向けているという状況で、特異な点は、緑が豊かな児童公園に対し敷地が≒2.5〜3.0m高いレベルにあること。崖も含めて敷地であること。崖の上の緑が豊かに残っていること。クルドサック型の小割り分譲地の一番奥に位置しており、接道幅は法規ぎりぎりの2mで旗竿状の形状をしている、などである。
建主の要望は、設計料込みで予算の1,450万円を目標にすること、子供の予定はないので二人が快適に過ごせる器であること、間仕切りのないワンルームのような空間、窓が大きく天井が高い広がりのあるリビング、オープンキッチン、現状の住まいと同程度に収納を設けること等で、この他に空間のイメージ写真(いずれも高価なものばかり・・・)がいくつか挙がっていた。
これらの厳しい条件のなかで、この敷地の特異な部分とその良さをさりげなく享受できる計画のあり方を模索した。後退距離ぎりぎりに壁をたて、ワンルームとして出来るだけふくらみを与えることを考えながら取り込む景色を絞り込むことでこの敷地の良さを引き出そうと考えた。北側の児童公園にある二本の大木(ケヤキ)と、崖を覆う緑に着目し、それに向けて大きな開口を対角線上にとり、その結節部分に水周り、その上にロフト状に寝室を配置した。こうしたシンプルな構成に加え、空間全体を大きなワンボックスとして大きく捉える事が出来るように、天井・屋根部分は垂木構造とし、化粧表し(0P拭取り)としている。この@一尺に組まれた垂木が創りだすリズムと陰影が、適度なスケール感と空間の奥行きや一体感を創りだす事につながるのではないかと考えた。
建主の、ワンルーム、高い天井、という単純な要望に素直に応答しながら、景色を取込む開口位置や大きさと壁の構成のみで組み上がった、言ってみれば単細胞建築であるが、住居としては大空間となり、日常性が薄いものとなった。この希薄な日常性ともいえる空間の特質を、今後ここに居住する者達が、どのように活用してゆくのかがとても楽しみである。気分の変化や嗜好の違いを受入れながら、尚も存在感を示すような、単細胞とは対極にある懐の深さを持った空間として存在することを願っている。
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プロデュースProject1000事務局
設計者H.A.S.Market
所在地神奈川県川崎市
竣工2007年12月4日
主要用途専用住宅
主体構造木造(在来工法)
敷地面積136.09u
延床面積56.29u
(約17坪)
階数地上2階
最高高さ5.520 m
業務内容設計・監理
施工者ホームビルダー株式会社
撮影田中宏明
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