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YOH

住宅

西側外観
西側外観
施主の要望は、限られたコスト内に納めること、家族四人がなんとか暮らせる器であること、の2点であり、いたって簡潔なものであった。
敷地面積が55.42u、建蔽率50%であることに加え、5M+.06Hという最も厳しい高度地区斜線がかかるという厳しい条件のもとで、上記要望に対応することが計画の課題であった。
敷地は、かつて農地(畑)であった場所が切り売りされ、さらに狭小地として細分化された宅地の一画にある。また、土地区画整理事業計画区域内に位置しながら、いっこうに進まないといった状況下にある。これが幸いして、袋状の前面道路は、ただの交通網に留まることなく、子供たちの遊び場、主婦たちの歓談の場となる可能性を秘めていた。
この道に開放するように建てること、道路で遊ぶ子供たちの様子が感じとれるようにすること、生活の様子を道に公開すること、家の中の出来事が閉じ込められず周囲に伝播してゆくこと、そんな解放的な家を目指した。
地域社会の崩壊が叫ばれている昨今において、設計者本人の幼少時代の原風景となっている路地やそこに建つ家々が保有していた資質を取り戻すことが、打開策として有効に働くかは簡単に計れるものではない。しかし、この家の開放的な状況がきっかけとなり、少しずつ近所の様子が分かるようになったのであれば、それは小さな出来事であっても、快適性に寄与する喜ばしいことであると思っている。

西側夕景
西側夕景
東側外観
東側外観
ロフト
ロフト
和室
和室
居間・食堂
居間・食堂
設計者鈴木義一
所在地東京都江戸川区
竣工2000年12月
主要用途住宅
主体構造木造
延床面積54.54u
(約16.4坪)
階数地上2階
業務内容設計・監理
施工者谷川工務店
撮影野田東徳
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