2014年10月19日

H26年度一級建築士設計製図試験雑感

遅くなりましたが、本年度の一級建築士設計製図試験の課題文を読んだので、その考察を記載します。この感想は個人的なもですので、気になる方は資格スクールのWEBサイトを等を参照願います。

まずはアプローチ。敷地図をじっくり見ると北側及び西側の駐車場は隣地であることがわかります。東側隣地は親水公園なので言い換えれば敷地は一面接道となります。つまり南側道路から主入口を取るのが正解であるとも言えます。
しかし、建物用途は「道の駅」ですので、駐車場からの利用者アプローチがメインになることは至極当然だと言えます。
また、駐車場は課題文より当該建物の駐車場としても利用することが読み取れます。
回りくどい書き方をしましたが、メインアプローチは、やはり駐車場からとなるのではないでしょうか。
但し、忘れてはならないのは避難である。避難は隣地ではNG。つまりメインアプローチの設定にとらわれて、南側道路への避難動線を忘れてしまうという罠なのではないかと考えられます。つくづく思いますが、このアプローチと避難動線の設定が試験がつくりこんだものだとしたら、受験者には申し訳ありませんが、今年の課題文も大変素晴らしい出来ばえだと思いますし、南側道路への避難が確保されていない解答が続出するのではないかと思われます。

と、ここまでの内容を見るとドキッとする方が多いかもしれませんが、建築基準法施行令第128条には「出口から道または公園、広場、その他の空地に通ずる幅員1.5m以上の通路をもうけなければならない」とあるので、今回の場合は西側または北側に設けた主出入口から南側道路に避難する動線が無くても親水公園に避難できれば良いということになりますので、ご安心を。
また、今回の敷地は都市計画区域外なので、敷地と道路の関係について規定はありません。つまり、単体規定だけ満たせてればOKなので、敷地内の1.5m以上の避難通路があれば避難は隣地でも道路でも良いということになります。試験中にこれらを判断することは困難ではあるが、結論を述べると南側への避難動線は無くても良いということになると思います。

次に建ぺい率と屋根の形状。先に記載したものよりわかり易いものは「建設用地ではなく敷地」問題。そして建ぺい率は70%。敷地は50m×36m=1800平米だったので、許容建築面積は1260平米。これはある種のサービスだと思います。建ぺい率オーバーの方は少なかったのではないでしょうか?
勾配屋根の軒先形状を判断出来ないという昨年の結果を踏まえ、2階の屋根形状を2階平面図に図示させるあたりは昨年のリベンジでしょうか?もっとも勾配屋根の場合、通常は2階平面図にその位置をプロットするものですが。

そしてゾーニング。部門が設定されている時は部門毎のフロアゾーニングを目指したいところではありますが、本年度の本試験課題の要求室面積を勘案し面積的にバランスの良い計画を想定すると店舗・料飲部門は別々の階に振り分けられそうな微妙な設定だったと思われます。
店舗・料飲部門という名称からもそれらは別々の階に計画しても良さそうですし、階を分けたからといってゾーニングが出来ていないとも言えません。共用部から異なる部門を通過すること無く目的室への動線が確保されていれば明快なゾーニングだと言えるので、これはどちらでも良いでしょう。

総じて、計画案だけを想定した状態で合否判定の差を考えてみましたが、ポイントがわかり難い結果になるのではないでしょうか。やはり差がつくのは解答用紙Ⅱ(計画の要点)や、作図の精度や密度なのかもしれません。また、私の考えているレベルの解答や、課題文の見事な表現を正確に読み取れる受験者は意外と少ないのかもしれません。つまり、建築設計をわかっている人には簡単で、理解していない人にとっては難しいという、理想的な課題になっている可能性があります。つまり普通に解けたひとは合格???。

できれば作問者と対話たいところですが、やっぱりムリなんでしょう。そんな訳で12月18日(木)に発表される予定の結果を分析してみないと作文の意図を知ることはできません。残念ですが、それまではもやもやしながら待つしかありませんね。本年受験された方はおつかれさまでした。

長谷部勉

投稿者 システム管理者 : 2014年10月19日 08:39