2013年2月 8日

GAの視点

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東大建築学科にて二川由夫氏のレクチャー「GAの視点」を拝聴。

パソコンの設定等レクチャー開始前の準備が終わるまでの間に二川氏と隈氏の対談が突然始まる。その場で隈氏は「メディアと建築家は深い関係にある」といい、「マスメディアとしての近代建築ーアドルフ・ロースとル・コルビュジェ」ビアトリス コロミーナ (著)、松畑 強 (翻訳) 鹿島出版会を紹介してくださった。F.L.ライトがかつてフォトジェニックな建築をつくり、世界的に流布していったという話を思い出す。建築は実物を見なければわからないが、写真等で紹介されなければ、存在さえも知られないことにもなる。やはりメディアと建築家(または建築)は深い関係にあるのだろう。お恥ずかしいが、まだ読んでいない書籍だったので、早速読んでみようと思う。

レクチャーは二川氏が最近取材された幾つかの建築写真がスクリーンに投影されるとともに解説しながら進んだ。「時間を超え、異なる価値を横断しながら記録する」という二川氏のコトバを聞いた時には、最近は気になる特集の時だけ購入していたGAの定期購読を再開しようと思った笑

当然ながら二川氏は高名な写真家である実父幸夫氏の影響を受ける。誕生日プレゼントが幼稚園の時はT定規と製図板、小学生の時は磯崎新氏のサイン入りの書籍「空間へ」だったとう話をうかがった。有名な話らしいが、それは羨ましくある一方でそうとうプレッシャーだっただろうなと思う。でもうらやましい。そんな二川幸夫氏の展覧会「日本の民家一九九五年」が3月24日(日)まで、汐留ミュージアムで開催されている。こちらも近々うかがいたい。

少々話が脱線したが、そんな建築の英才教育を受けた氏のことば「建築は実際に体験しなければわからないし、WEBサイトや書籍を見て体験した気になるのには大変な問題がある。現物を見て下手でもスケッチし、空間の構成を理解すること」というのには大変な重みがある。建築が多様化しリアリティが希薄になった時代にこそ、「社会と建築」あるいは「自然と建築」の関係の結び方が重要になる。最近は生成時のプロセスを見せることに重きを置く傾向もあるが、出来上がった実物には建築としてのチカラが必要だと思う。良いものを沢山体験し、それらを集積することがやはり良い建築をつくることにつながるのだろう。ボクも写真に映せない建築をつくり二川氏と戦いたい。

建築のチカラが弱くなりつつある現代において、このようなレクチャーを拝聴する機会をいただいたことは、ボクの人生にも影響するかもしれないと思う位、素晴らしく感動した。

長谷部勉

投稿者 システム管理者 : 2013年2月 8日 23:05