2008年5月 9日

次世代住宅

次世代の住宅像を考えた時、「環境への配慮」と「コミュニティーの構築」が重要な要素になると思う。

一般的には、熱・空気・光などの数値に置き換えられるモノを技術的な観点で捉え、設計に反映させるコトが環境への配慮をしているかどうかという指標になると理解されているはずだし、それも重要なコトだと思けど、同時にその「環境」という言葉はとても漠然としたモノだとも思っている。
建築家それぞれの理解の違いや、設計へのアプローチの方法も沢山あるのではないかとも思う。

だからこそ、私はそれを技術的な側面ばかりではなく、時間軸を含めたもっと広義な意味で解釈するべきなのではないかと思っている。


アポロ計画が成功しランドサットが打ち上げられた60年代後半から70年代前半にかけて、人間は地球を俯瞰するようになり環境保護運動が盛んになった。そして今日、環境問題は好事的なことではなく、スタンダードなコトに変化してきていると思う。

意識が高まるコトは良いことだと思うが、エコロジーな「気分」だけでは、先に進むコトは出来ない。昨今の環境問題はかつての綺麗ゴトとしてだけではなく、社会的に、よりリアルな仕組みを考えるコトにより、そしてそれを個人のレベルまで落とし込むコトにより先に進むような気がする。


一方で今日の家族像を70年代にいわれたコミュニティー論で語るコトはもはや出来ない。同居している夫婦や親子でさえもが、家の中でメールを使いやり取りをする時代なのである。しかし、その状況を切れた家族として捉え、住まいは個室化に向かえば良いというものでもない。

いままで考えられてきた家族類型というものは虚構であり、家族とは個人の集合体であると認識する必要はあるが、同時に人間は動物であり、ゆえに群れたがる性質を持っているのではないか。
我々は、家族あるいは近隣住民と繋がる様なコミュニティーを再構築し、そこに住まう人々がもう一度繋がるコトが出来る、あるいはそれをサポートする住空間を考える必要があるのではないかと思う。

完全空調されたオフィスや接地感の無い都市部の高層集合住宅、あるいは近隣に対し閉鎖的な都市住居の中で、モノによる環境負荷低減だけではなく、我々にはそういったテクノロジーとそれを包括するデザインを融合させ、精神的なヒトの繋がりを意識した新しい住宅像をつくりだすコトが求められているのではないか。

本当の住まいの環境とは何か?都市部においてはそこにある人工物も自然だと考え共生する必要があるのかもしれない。

エネルギー効率だけではなく、ライフスタイルを同時に考えることが真の意味での住まいの環境を考えることになると思うし、それがサスティナブルな次世代の住宅像になるのではないかと思う。

投稿者 システム管理者 :